ロシアのウクライナに対する軍事行動による市民の殺傷と生活破壊、特に子どもたちへの影響に断固として抗議し、直ちにロシアの軍事行動の停止を求める緊急声明
ロシアが、2022年2月24日ウクライナに対して軍事行動を開始しました。ロシア軍の攻撃により、ウクライナ側には子どもも含めた多数の市民の死傷者がでていると報道されています。
ロシアの軍事行動は、国際法の基本原則に反した侵略行為であり、ウクライナの主権及びウクライナの人びとの人権を著しく侵害するものであり、国連憲章第2条の「武力行使の禁止原則」に反し、第2次世界大戦後の世界平和の秩序を根底から覆す暴挙です。ロシアの侵略行為は、ウクライナとヨーロッパ周辺国の問題にとどまらず、世界全体の平和秩序への影響をもたらすものでありとても容認できません。私たちは日本国憲法において「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、これを永久に放棄する」(第9条)を謳った国民として、ロシアのウクライナへの武力侵攻に、断固として反対します。
ロシアによる戦闘行為の影響は、弱い立場の人々に深刻な人権侵害をもたらすとともに、中でも、子どもたちは、生命や生活の危機、心理的な不安・恐怖に投げ込まれます。食料や保健衛生面のレベルの低下とともに、教育や遊び・文化の機会を奪います。その結果、子どもたちの発達に甚大な危機をもたらし、未来への希望と幸せな人生づくりを破壊するものです。子どもの権利条約の前文にも明記されているように、どの国の子どもたちも「特に平和、尊厳、寛容、自由、平等および連帯の精神の下で育てられるべき」です。
70年前、1952年5月に発足した私たち日本子どもを守る会は、子どものしあわせの実現と健やかな発達を保障するために、何よりも平和憲法と児童憲章の完全実現を目指して歩んできました。発足当時は朝鮮戦争の最中で、米軍の前線基地となっていた日本の子どもたちは、生活・文化・教育・福祉・健康・環境のすべてにわたって発達環境が損なわれていました。その現実を黙視できないと、親や教師はもちろん、広範な人びとが本会に結集し、思想・信条の違いを超えて、子どもの人権と平和を守る国民的・国際的な運動を立ちあげて、今日まで歩んできました。
「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員としてとして重んぜられる。児童は、良い環境の中で育てられる。」とうたった児童憲章を実現するためには国際的な「平和な社会」が不可欠です。日本国憲法9条に基づき「地球平和憲章(日本初モデル案)」(9条地球憲章の会)の提起がなされていますが、コロナパンデミック、気候変動の危機を前に、人類と地球の未来が岐路に立っている時、ロシアによるウクライナへの戦争の開始は歴史を逆行させる野蛮な行為です。また、核兵器禁止条約が発効している時に、プーチン大統領による核兵器への言及は極めて危険な動向であり、人類の生存と地球の未来に関わる重大事として看過できません。
いかなる理由があるにせよ、武力に訴えて戦争をすることは許されません。戦争は、人が人を殺すことであり、どこの国の誰の子どもも一人として殺させないために、日本子どもを守る会は、ロシアによるウクライナへの武力攻撃に断固として抗議し、直ちに軍事行動の停止を求めるものです。
戦争はダメ!人が人を殺す事、どこの国の、誰の子どもも殺させない!
2022年2月26日 日本子どもを守る会
〝花には太陽を 子どもには平和を″