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子どものオリンピック・パラリンピック観戦への動員の中止を求める

 新型コロナウイルス、さらには変異株への感染拡大が世界的に続いています。わが国でも、変異株の広がりの中で、大都市圏に緊急事態宣言がだされ、医療関係者・高齢者へのワクチン接種が始まったとはいえ、いまなお収束の見通しは全く立っていません。緊急事態宣言下で、子どもたちが楽しみにしている運動会など通常の学校行事の中止・延期が強いられているにも関わらず、東京都内をはじめ各地の子どもたちを東京2020オリンピック・パラリンピックに、学校主導で観戦させようという動きが進行しています。
安心・安全な環境であれば、世界のアスリートの最高の競技を観戦することは子どもたちの成長にとって意義のあることでしょう。しかし、いまコロナウイルス感染拡大のまっただ中にあります。こうした危険な環境下での子どもたちのオリンピック・パラリンピック観戦への動員は、緊急事態宣言下でのコロナ感染防止対策に根本的に矛盾しているのみならず、子どもたちに与える影響の大きさから、私たち日本子どもを守る会としては、観戦への動員を実施してはならないと判断しています。
 オリンピック・パラリンピック観戦の動員については、次のように数多くの危険と問題があります。

(1) オリンピック会場自体が大勢の人が集まる場所で、しかも、感染が広がっている外国からの報道関係者等も多数集まる場所であるのに、感染防止対策は不十分と言わざるを得ません。
(2) オリンピック会場への移動で電車やバスなど公共交通機関を使うため、密を避けられない可能性があります。また、引率される教職員の方々の負担や感染リスクも大きいと考えられます。
(3) これまで子どもはウイルスに感染しにくいと言われていましたが、その後、子どもも感染しやすく重症化する可能性も高いと指摘される「変異株」の流行が拡大しており、子どもへのリスクは高くなっています。
(4) オリンピック開催予定日まで、子どもへのワクチン接種の計画はありません。
(5) 炎天下のマスク着用での観戦は熱中症リスクも高まります。
(6) 何より、現在の医療体制の下では、万が一のとき、子どもへの対応がどこまでできるかも大きな不安です。

 また、観戦日はチケット購入の都合で組まれた日程であり、休日に行うことも問題ですが、平日の日程となることも多いと予想されます。子どもの事情で観戦できなかった場合は「欠席扱い」になる可能性もあるとも指摘されています。このような、大会組織委員会や東京都など「大人の都合」によって、子どもたちが利用され、危険と不利益がもたらされて良いとは思えません。
 チケットは、公費で準備されていますが、コロナウイルスがいまだ猛威をふるっている状況では、この予算はコロナウイルス対策にこそ使うべきでしょう。
私たち日本子どもを守る会は、創立以来69年間、日本における子どもの権利の水準を向上させるために「児童憲章」を大切にし、「子どもの権利条約」の精神に基づいて子どもの意見を聴き、子どもの最善の利益を求めて活動してきました。子どもたちのオリンピック・パラリンピック観戦への動員は、保護者と教職員の判断による参加、子どもの主体性にもとづく参加ではなく、みせかけ・操りの参加・動員であり、子どもの最善の利益に反するものです。以上のように、多くの危険が予測される中でオリンピック・パラリンピック観戦に子どもたちを動員する計画を、即時中止すること求めます。

2021年6月1日    日本子どもを守る会
〝花には太陽を 子どもには平和を″

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