年頭のごあいさつ
新しい年、2025年を迎えるにあたって
品位ある子どもの声に学び、子どもたちと共に平和な社会を求めて歩む
日本子どもを守る会会長 増山均
2025年は、戦後80年・被爆80年になります。新年を迎えるにあたって、改めて声を大にして、一日も早く平和な世界を! 安全と安心の空の下で、遊び・学べる時間を、地球上のどの子にも! と叫びたいと思います。
昨年末のクリスマスの日、日本子どもを守る会の有志が共有しているLINE情報に、「ワガ子の手紙を読んで涙出ちゃった。9歳の子どもだってわかってる。平和が一番だって。」というある母親の声と、サンタクロースへの子どもの手紙がアップされました。
サンタさんへ。
ことしはプレゼントは、いりません。
そのかわり、せんそうの子にたくさんのプレゼントをわたしてください。
このふかい愛と品位のあるメッセージを読んで、私は心の奥底からしみじみと子どもへのリスペクトを感じました。そして、同じ時代を生きる大人としての大きな責任をかみしめつつ、新年を迎えています。
昨年、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、全世界に向けて戦争と核なき世界への大きなメッセージが発信されました。しかし、ロシアによるウクライナへの侵略戦争、パレスチナでの戦闘は、終結に向けての出口が見えず、戦火拡大と核兵器使用への緊張が高まっています。侵略戦争への不安と緊張のたかまりの中で、日本社会では、核抑止力と軍事増強を求める政府の政策によって、2025年度に向けて8兆円を超える軍事費予算が組まれ、教育や福祉、家庭と子どものしあわせづくりの予算へのしわよせが明らかになっています。
日本子どもを守る会は、ヒロシマで自らも被爆した長田新初代会長が、GHQによるプレスコード(原爆に対する記事などの発禁処分)の中で、渾身の力を込めて、被爆した子どもたちの作文を集めて出版した『原爆の子』(1951年10月、岩波書店)を大切にし、そのメッセージを発信し続けてきました。被爆の実相を世界に・若い世代に伝えたいという被爆者の声を指針に、「唯一の戦争被爆国」の日本政府が、速やかに核兵器禁止条約を批准し、核廃絶と戦争なき世界の実現をめざす道に歩み出ることを強く強く望みます。
2025年まずは停戦。そして人類が核兵器なき世界、平和な地球の実現に向けて進みゆく国際的・国内的運動に連帯して、会員の皆さまと共に、小さな努力を続けて行こうと決意しています。