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日本被団協のノーベル平和賞受賞を祝い核兵器廃絶と子どもの安全・平和を求める声明

ノルウェーのノーベル賞選考委員会は、核兵器が二度と使用されてはならないことを被爆証言でしめしてきたとして、2024年のノーベル平和賞を日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に授与することを発表しました。
高校生平和ゼミナールなどの諸団体と協力して、共に核兵器の廃絶に向けて反核・平和運動をしてきた日本子どもを守る会は、日本被団協のノーベル賞受賞に心よりの祝福の声を発したいと思います。
私たち日本子どもを守る会は1952年5月の発足以来、一貫して「子どもを戦争から守ります」の基本目標を掲げ、世界平和を求めてきました。子どものしあわせの実現と健やかな発達を保障するために、日本国憲法と児童憲章の理念の完全実現を目指して歩み、さらには国連子どもの権利条約を重視して活動を続けています。
2024年9月16日には、看護界でたくさんの活躍をされている川嶋みどりさんをお招きし、「戦争だけはダメ!」と題して戦時下の看護師の悲惨な体験を語っていただき、若い世代の方々と共に強く平和を祈念する集会を開催しました。
ノーベル賞選考委員会は、日本被団協が「核兵器は二度と使ってはならない」という世界的な合意形成に、被爆者が語る個人的な経験やそれをもとにした教育運動が独特の役割を果たし、核兵器の拡散と使用に反対する動きを広めたと述べています。
日本被団協は1956年に設立しましたが、この受賞は、こうした運動を一緒に行ってきた広島の3人の高校生平和大使など若い方たちの運動の励みとなることでした。
日本被団協が世界に発信した「ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ」の切なる願いが、2017年に国連で核兵器禁止条約を生みだす大きな力となりました。
この条約は核兵器のない安全で平和な世界実現に向けての重要な指針です。核抑止力を信じて核の傘の下にいる国々、さらには核武装をしている国々が、核兵器禁止条約に参加・批准をすすめるための新たな機運の高まりにつながることが必要です。
私たちは、『原爆の子』(岩波書店、1951年)をまとめ、世界平和を訴えた初代会長・長田新の遺志を受け継ぎ、平和と子どものしあわせ実現の運動を進めてきた者として、核兵器廃絶を前に推し進めるべく一層努力していくことを誓います。そして、この機会に日本政府が、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に速やかに参加・批准し、核兵器廃絶の取り組みの先頭に立つことを強く求めます。

2024年10月11日

〝花には太陽を 子どもには平和を″
日本子どもを守る会

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