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声明 奈良教育大学附属小学校をめぐる問題について

 奈良教育大学附属小学校の教育実践は「みんなの願いでつくる学校」として知られています。教職員間の民主的な議論をふまえ、ときに児童の声も聴いて、創意工夫された自主的な教育課程づくりを行ってきました。
そのため、驚くほど前向きに自分の言葉で話せる児童が多いと言われてきました。
 ところが、2024年1月9日、奈良県教育委員会の連絡を受けて、奈良教育大学は、「奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案にかかわる報告書」を文部科学大臣に提出しました。「報告書」では、こうした同学校の教育実践を学習指導要領通りでないということだけで「不適切」と決めつけ、それを文部科学大臣やマス・メディアは一方的に追認しており、子どもや地域の実態をふまえた教育実践を否定しています。
 本来、学習指導要領も、その前文では「教育課程の基準を大綱的に定めるものである」として、「各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、児童や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域と協力」することが重要であるとしていることからもこの非難は失当です。
 また、国立大学附属学校は教育学研究の役割とともに教員養成でも重要な役割を担っており、教育課程編成の創意工夫がいっそう奨励されるべき存在でもあります。国立大学の独立行政法人化により、各大学の運営費交付金が削減されるとともに、先の国会で成立した国立大学法人法の改定により、一段と政府が大学の自治への介入を強める動きが、このような創意工夫をできにくくしているのが実際です。2024年1月19日、文部科学省が発した「通知」は学習指導要領の位置づけの一面のみを重視して、現場の創意あるとりくみを否定するばかりではなく、全国の各学校の教育課程編成に一種の「委縮」効果を及ぼすおそれが強いものでした。課題を抱えて毎日登校している生徒・児童が多くなっていることを考えるなら、これらの現状を再度見直し、改めて現場の教職員の自主性・自律性を保障し、創意ある教育課程編成が必要です。
 私たち日本子どもを守る会は1952年5月の発足以来、一貫して子どものしあわせの実現と健やかな発達を保障するために、日本国憲法と児童憲章の理念の完全実現を目指して歩み、さらには国連子どもの権利条約を重視して活動を続けています。その柱の一つは、子どもと教育を守る立場にたち、教員や保護者の十分な議論を保障することを基本と考えています。
 そのために、学校の民主的な運営を保障し、創造的な教育実践を推進するため校内体制の確立は重要です。その点から、奈良教育大学が実施しようとしている附属小学校の教員の同意のない強引な「出向人事」は、これまでの豊かな教育実践を踏みにじる不当なものといわざるを得ません。
 私たちは、奈良教育大学附属小学校の教育実践が学習指導要領に照らして「不適切」とされ、附属小教員19人全員が他校へ「出向」させられることに反対し抗議するとともに、文部科学省のこの問題に応じて発した「通知」を撤回することを求めます。

〝花には太陽を 子どもには平和を″

 

2024年4月2日
日本子どもを守る会

配送遅延のお知らせ 2月29日

日頃より、『子どものしあわせ』、「子どもを守る」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。 『子どものしあわせ』、「子どもを守る」の配送が現在遅延しており、お詫び申し上げます。
  これまで配送を依頼していた、ヤマト運輸ダイレクトメール便が1月末で廃止となったため、今月から佐川急便に配送を依頼し、先月までと同様発出したつもりでした。
ところが、現在、佐川急便での配送が大幅な引き受け量増加により、全国的にお荷物のお届けに遅れが生じているとわかりました。到着まであと数日かかる模様です。(2月29日現在)
  楽しみにしていただいている中、『子どものしあわせ』、「子どもを守る」のお届けが遅れてしまい大変申し訳ございません。 今しばらく到着までお待ちください。
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