イスラエルは、6月13日、イランの核関連施設を含む複数箇所点に対する軍事攻撃を実施したことを発表し、一方、イランの国営メディアからは、首都テヘランをはじめとする地域で大規模な爆発がおこり、女性や子どもも含む死傷者が出ており、軍司令官や核科学者複数の死亡や核施設攻撃による放射能汚染の懸念を報じました。
ついで、アメリカは、6月21日、イスラエルに加担して、イランの核施設3か所に空爆を行ったと発表しました。
私たち、日本子どもを守る会は、日本国憲法、児童憲章、子どもの権利条約を大切にしてまいりました。当然、このような軍事力による支配や被害が生じることはそもそも許し難いことであると考えておりますが、加えて、本来核兵器禁止条約などを実現させ、核の脅威をなくす必要があることや女性や子どもという弱い立場にある者に被害が出ることは、特に大きな問題であると考えるところです。
イスラエル軍や米軍が行ったとする「イランの核開発計画への先制攻撃」は、一見、核抑止であるかのように発表していますが、いかなる理由があるにせよ、「先制攻撃」は、国連憲章と国際法に違反する明白な脱法行為です。そして、核関連施設の攻撃は大変危険なことであり、核施設への攻撃はジュネーブ条約をはじめとする国際法に違反しています。少なくとも国際原子力機関(IAEA)を含む枠組みのもとで協議が続けられている最中に、このような攻撃をする行為を容認することはできません。
イスラエルは、既にガザ地区において、国際社会からジェノサイド(集団殺害)と批判される行為を繰り返し、その背景にヨルダン川西岸地域においての無法な入植・暴力・占領の拡大という、国連憲章に代表される国際法を無視し続けています。私たちは、既に、これらの行為をやめるよう声明を発しています。
イスラエルやアメリカは、さらなる軍事行動の継続を示唆していることや一部の国がこれらの問題について両国への非難を躊躇していることから、中東地域における緊張の激化と軍事衝突の連鎖が強く懸念され、ひいては全世界の平和と安定を危うくしています。
私たちは、イスラエルに対し、イランやガザ地区についての戦闘行為をただちに中止することを強く要求するとともに、イランに対しても、情勢を悪化させる報復を自制することを求め、今回のガザ地区での蛮行に続くイスラエルの行為とアメリカの行為を、強く非難し、ちょうど沖縄での住民を巻き込んだ戦闘から80年というこの日、改めて「子どもを守れ」と強く訴えます。
〝花には太陽を 子どもには平和を″
2025年6月23日
日本子どもを守る会